建築設計課

終わらない家・住宅/ 事務所

東京の住宅地にある築40年を越えた木造賃貸住宅の改修工事です。
本計画は、家族構成未定の家族の住む場と、事業規模未定の仕事場をそれぞれ作る。
曖昧で決まらないゴールを目標にスタートしました。

決まった広さの部屋を、必要個数作るという計画が立てられないため、
お風呂とトイレ以外は仕切りはなく、
いくつかの用途に代用できる 名前のない場所が途切れずに連続していく、
不均質なワンルーム空間を設計しました。

新しく作ったり、補修する壁や建具は 既存建物の弱点を補完するため、
①外部の温熱環境と外部からの視線といったプライバシーを調整する壁
(断熱性能向上用のポリカーボネイト板)
②築年数の経った木造住宅を、住人の安全が最低限守られるよう構造耐力を上げる壁
(耐震性能向上用の構造用合板)
と、それぞれ目的を持った壁・間仕切りとして、既存空間に加えていきました。

時間の経過とともに手を加え続ける、いつまでも変化の終わらない家となりました。